科学特捜隊隊員を演じた黒部 進、桜井浩子が登場
怪獣ブームを巻き起こした『ウルトラマン』に出演する科学特捜隊隊員を演じた黒部 進、桜井浩子を迎えたスペシャルイベント「
ウルトラ怪獣の誕生『ウルトラQ』から『ウルトラマン』へ」が11月4日に六本木ヒルズアリーナで行われた。
現在開催中の第32回東京国際映画祭ジャパニーズ・アニメーション部門の一環で行われた本イベント。『ウルトラマン』のハヤタ隊員役で知られる黒部と、『ウルトラQ』の江戸川由利子役、『ウルトラマン』のフジ・アキコ隊員役で知られる桜井が懐かしい昔話に花を咲かせた。さらに『ウルトラQ』の人気怪獣、カネゴン、ガラモン、ペギラ、ケムール人も来場し、会場を盛り上げた。場内は往年の“ウルトラ”ファンである大人の観客が多かったが、小さな子どもの姿もちらほら。世代を超えて愛される“ウルトラ”シリーズの人気の高さを伺わせた。
そんな会場を見渡した黒部は「あれ(1966年の放送開始)から53年になりますが、こうして皆さんに足を運んでいただいて。大変な喜びです。80をとっくに越していますが、気持ちは27歳の時、ウルトラマンをやっていた時の年代に戻っています」とあいさつ。「今日ははりきっているな」とちゃちゃを入れた桜井に対して、黒部が「今から10日ほど前(10月22日)に、残念ながら80を越えているんですよ」と報告。そんな黒部に会場からは拍手が送られた。
この日のトークショーは、「53年も前のことだからあまり覚えていないなぁ」とおどける黒部に対して、その都度「寝ちゃダメよ」「あなたは昔から感じの悪い人よね」等々、桜井がツッコミを入れる「漫才スタイル」で進行。カレーを食べていたハヤタ隊員が、ベータカプセルと間違えてスプーンを掲げて変身しようとする名シーンを踏まえて、「スプーンは覚えていないの?」と質問する桜井。すると「あれは僕のやった中でも秀作の一本じゃないでしょうか」と誇らしげに語る黒部。「あれはスプーンをあげただけで、(演技は)何もやっていないんじゃないの?」とちゃかしてみせる桜井に対して、「あれはね、上げるタイミングが難しいんですよ」と返答する黒部。さらに「でも、(前のシーンでは)いったんスプーンを置いて出て行っているのに、またスプーンで変身するのはどういうこと?」とつながりの間違いについて続けた桜井に、黒部も「一番悪いのは(実相寺昭雄)監督ですよ。もうあの世界に行ってしまったけど、今日のことも見ていると思いますよ」と付け加えた。
「科学特捜隊はみんな仲がいいけど、特に僕と桜井さんが仲がいいんです」とおどける黒部に対して、桜井も「あなたとは長い間トークなどでお仕事をご一緒しますけど、3~4カ月会わないと元気なのかなと思いますね。本当に肉親状態になっていて。監督も含めて、皆さんの健康状態を心配しているんですよ」と返答。そして黒部も「80歳になってもこの状態だから、90歳になって、シワシワになっても僕は出ますよ。ウルトラマンという名前が残る限り、ファンがいる限り、10年後にまた来ます」と宣言すると、会場のファンから拍手が巻き起こった。
第32回東京国際映画祭は、11月5日まで開催。