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本年度審査委員

コンペティション部門国際審査委員

審査委員長

チャン・ツィイー

courtesy Peter Lindbergh, Paris

チャン・ツィイー(章子怡)

Zhang Ziyi

女優

多様な役柄で多くの受賞歴を誇り、世界的に評価を受けるチャン・ツィイー氏は、2000年にチャン・イーモウ監督作品『初恋のきた道』で映画デビューを果たし、この作品が第50回ベルリン国際映画祭で銀熊賞を受賞したことから脚光を浴びるようになる。世界的に好評を博したアン・リー監督の映画『グリーン・デスティニー』(00)での演技により、国際的な知名度を得るようになった。スティーブン・スピルバーグの指名で主演したハリウッド作品『SAYURI』(05、監督:ロブ・マーシャル)で俳優としての地位を確立させ、その年の英国アカデミー賞や米国ゴールデングローブ賞の最優秀女優賞候補にもノミネートされた。ウォン・カーウァイ監督の『グランド・マスター』(13)では、前代未聞の12もの最優秀女優賞を受賞している。俳優生活20年の間に、中国、そして海外の 作品で幅広い役を演じており、チャン・イーモウ監督の『HERO』(02)や『LOVERS』(04)、また日本の巨匠、鈴木清順監督の映画『オペレッタ狸御殿』(05)にも出演している。2019年公開の最新出演作には、『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』(監督:マイケル・ドハティ)、『The Climbers(原題)』(監督:ダニエル・リー)がある。過去には、カンヌ映画祭で2006年にメインのコンペティション部門、2009年にシネ・フォンダシオン、2013年にある視点部門の審査員を、また2016年にはトロント国際映画祭のプラットフォーム部門の審査員を務めている。さらに、フランス文化省より、芸術・文学の分野で功績がある人に贈られる名誉勲章、芸術文化勲章シュヴィリエが授与されている。デビュー前には中国の最高学府・北京舞踏学院に通い、6年間伝統的な民族舞踊を学んだ後、卒業後、期せずして中国で最も権威のある演劇学校・中央戯劇学院に入り、俳優としてのキャリアをスタートさせた。

あいさつ
初めて東京に来たのは、長編映画のデビュー作とともに、中国から旅に出た若い俳優の時でした。『初恋のきた道』への歓迎の温かさにとても感動し、日本が映画制作に込める愛情と情熱を直に目の当たりにしたことを覚えています。私の長編映画デビュー作が、日本、そして世界中の映画ファンに好評を得たという経験は、この(映画という)視覚的な方法が物語を語る力、普遍的に感じられる悲しみと喜びを表現する力というものを教えてくれました。若い俳優にとって、これは素晴らしい体験でした。今回東京国際映画祭にご招待いただき、日本の映画ファンと一緒に過ごすことができるのは大きな喜びであり、また審査委員長として名だたる映画人とともに素晴らしい作品を見つけ、称えることができるという格別な経験ができることを光栄に思います。

審査委員

ビル・ガーバー

ビル・ガーバー

Bill Gerber

プロデューサー

アカデミー賞およびエミー賞にノミネートされた経験を持ち、ワーナーブラザーズの製作部門代表など数々の役職で40年以上に渡ってエンターテインメント業界に携わってきた。プロデューサーとして手掛けた主な作品は『アリー/スター誕生』『グラン・トリノ』(日本アカデミー賞外国作品賞)『ロング・エンゲージメント』『リベンジ・マッチ』など。
また、『LAコンフィデンシャル』『JFK』『ヒート』『ユー・ガット・メール』『パーフェクトストーム』『スリー・キングス』「ハリー・ポッター」シリーズなど多数の映画にも関わった。HBOの2話ドキュメンタリー“What’s My Name Muhammad Ali”やTNT制作映画“James Dean”の製作総指揮も務めた。
ワーナーブラザーズ以前は、ニール・ヤング、ジョニ・ミッチェル、トム・ペティ、カーズ、ディーヴォなどのクラシック・ロックミュージシャンを抱える音楽マネジメント会社、Lookout Managementのパートナーを務めた。現在、Environmental Media Association、Center for Early Education、2028年ロサンゼルスオリンピックの役員。3人の娘の父親である。

あいさつ
日本を初めて訪れたのは1980年、音楽マネジメントに携わっていた頃でした。ディーヴォの日本ツアーに同行し、初めての東京で実に多くのことを経験し、日本文化の活力と芸術性に驚嘆しました。その後再び訪れた際には、3人の娘に私が魅了された日本を見せることができました。娘たちも歴史、人々、文化そして桜の美しさに心を奪われました。私はかねてより日本映画を愛し、黒澤明監督にもカンヌ映画祭でお目にかかりました。今回、栄誉ある映画祭に参加でき大変光栄です。
ジュリー・ガイエ

ジュリー・ガイエ

Julie Gayet

俳優/プロデューサー

幼少期に演技とオペラ歌唱の教室に通い、23歳の時に出演したアニエス・ヴァルダ監督の『百一夜』で頭角を現した。以降、さまざまなジャンルの映画に出演し、作品が表現する世界観や眼差しに深く共感しつつ、俳優としての経験を重ねてきた。2013年にドキュメンタリー“Cinéast(e)s”を共同監督。性差拡大への自身の意思表示として、20名以上の女性監督に映画業界での女性の地位や仕事についてインタビューをした。07年、映画制作会社Rouge International を立ち上げ、シャビ・モリア監督による『エイト・タイムズ・アップ』を制作。同作でガイエは2009年の東京国際映画祭最優秀女優賞を受賞した。Rouge International は設立以降、インディペンデント映画の新鋭監督と積極的に組み、カンヌやサンダンスといった主要国際映画祭での名声獲得に貢献している。

あいさつ
日本の国と文化はいつの時代もモダンと伝統がうまく融合されています。このユニークな文化ゆえに、日本映画は世界の映画界で確たる地位を築いており、東京国際映画祭は日本映画業界に大きな影響力を与える存在です。10年前に最優秀女優賞をいただいた映画祭の審査委員の一員として、再び東京を訪れることができ光栄です。才能溢れるほかの審査委員とともにいられることも、とても嬉しく思います。32回目の映画祭でどんなワクワクする驚きに出会えるか、今から楽しみです。
マイケル・ノアー

マイケル・ノアー

Michael Noer

監督

デンマーク国立映画学校を2003年に卒業して以来、スカンジナビアの重要な発信者として、本質に迫るドキュメンタリーや超現実的劇映画を生み出してきた。刑務所を舞台にしたデビュー長編“R”(10)ではトビアス・リンホルムと共同監督・脚本を務め、国際的評価を獲得。同作はグーテンベルク国際映画祭の最優秀ノルディック作品賞、ムンバイ国際映画祭審査員グランプリなどの映画賞に輝いた。その後、“Northwest”(13)“Key House Mirror”(15)などのデンマーク映画を監督し、数々の賞を受賞。17年、ハリウッド俳優チャーリー・ハナム、オスカー俳優ラミ・マレックを主演に迎え、『パピヨン』のリメイク版を監督。最新作『氷の季節』(18)は第31回東京国際映画祭の審査員特別賞をはじめ、数々の栄誉ある賞を獲得した。

あいさつ
デンマークの小さな労働者階級の町で育った私は、まさか国際的な映画業界に関わることになるとは夢にも思いませんでした。しかし、映画愛に導かれて、映像表現の手段および個人的な成長の土台として、ドキュメンタリーを作るようになりました。優れたドキュメンタリーは、作り手に声を聞くことを求めます。私は耳を澄ませ、日本を再発見したい。今回で3度目の訪問となる愛する国、日本。東京国際映画祭への参加はこの上ない栄誉です。見て、聞いて、学んで、そして食することを楽しみにしています。
廣木隆一

廣木隆一

Ryuichi Hiroki

監督

1954年、福島県出身。93年『魔王街・サディスティックシティ』で、ゆうばり国際冒険・ファンタスティック映画祭ビテオ部門グランプリを受賞。翌94年、サンダンス映画祭において奨学金を獲得して渡米。帰国後、青春映画『800 TWO LAP RUNNERS』で、文化庁優秀映画賞、文部大臣芸術選奨新人賞を受賞。その清冽な作風は若者を中心に各方面で話題となった。2003年、寺島しのぶ、大森南朋を主演に迎えた『ヴァイブレータ』で、揺れ動く女性の心を描き、同世代の女性を中心に一大センセーションを巻き起こした。同作は、2003年度キネマ旬報べストテン3位にランキングされ、国内での評価はもとより、海外でも香港国際映画祭、ナント三大陸映画祭をはじめ、40以上の国際映画祭で上映され数々の賞を受賞、国際的に高い評価を得た。その他作品に、大ヒットを記録した『余命1ヶ月の花嫁』、近年は『さよなら歌舞伎町』『ストロボ・エッジ』『オオカミ少女と黒王子』『PとJK』『ママレード・ボーイ』など。『ナミヤ雑貨店の奇蹟』は日本アカデミー優秀監督賞を受賞。また15年、初の小説「彼女の人生は間違いじゃない」(河出書房新社)を上梓、出身地でもある福島を舞台にした原作を自ら映画化した。最近作は『ここは退屈迎えに来て』。

あいさつ
審査員というのはかなり緊張しますし光栄です。いつもは客席でコンペの審査結果や上映の反応に緊張していましたが、その時とは違う緊張です。また純粋にクオリティの高い作品が集められる東京国際映画祭を楽しみたいと思いますし、上映作品が少しでも多くの観客に届くように役に立てればと思います。新しい出会いにも積極的に参加していきたいと思います。

アジアの未来 審査委員

アジアの未来
作品賞
国際交流基金アジアセンター 特別賞 審査委員

エレナ・ポラッチ

エレナ・ポラッキ

Elena Pollacchi

ヴェネチア映画祭プログラマー

2004年から1年間、ヴェネチア映画祭にて東アジア作品のプログラミングを担当、12年以降現在まで同職を務めている。アジア映画のプログラマーとして、イタリア、スウェーデン、ノルウェーで活動。ケンブリッジ大学にて博士号を取得し、現在、イタリアのヴェネチア・カ・フォスカリ大学にて中国およびアジア映画について教えている。中国映画、アジア映画、映画祭に関する著作多数。

ピムパカー・トーウィラ

ピムパカー・トーウィラ

Pimpaka Towira

監督/プログラムディレクター

1990年代初期からタイのインディペンデント映画界で女性映画監督の先駆けとして活躍。長編デビュー作『ワン・ナイト・ハズバンド』はベルリン映画祭でプレミア上映されるなど、国際的に評価された。長編第2作目の『孤島の葬列』は東京国際映画祭アジアの未来作品賞を受賞。また、15年以上に渡って映画プログラマーとしても活動。2015年よりバンコクASEAN映画祭のプログラムディレクターを務めている。2017年から18年まで、シンガポール国際映画祭のプログラムディレクターを務めた。

中村義洋

中村義洋

Yoshihiro Nakamura

映画監督/脚本家

99年、自主制作映画『ローカルニュース』で劇場映画監督デビュー。その後、『刑務所の中』、『仄暗い水の底から』、『クィール』など、話題作の脚本も手がける。主な監督作品に『アヒルと鴨のコインロッカー』(07)『チームバチスタの栄光』(08)『フィッシュストーリー』(09)『ゴールデンスランバー』(10)『みなさん、さようなら』(13)『白ゆき姫殺人事件』(14)『残穢 -住んではいけない部屋-』(16)『殿、利息でござる!』(16)『忍びの国』(17)など。最新作は11月22日公開の『決算!忠臣蔵』。

日本映画スプラッシュ 審査委員

日本映画スプラッシュ
作品賞
監督賞 審査委員

クリスチャン・ジュンヌ

クリスチャン・ジュンヌ

Christian Jeune

カンヌ映画祭代表補佐

カンヌ映画祭オフィシャルセレクションのディレクター、代表補佐。20年以上をカンヌと共に歩む。これまでに審査員を務めた映画祭は、シネマラヤ映画祭、釜山国際映画祭、ドバイ国際映画祭、バンコク国際映画祭、ムンバイ映画祭、香港国際映画祭など多数。

ナム・ドンチュル

ナム・ドンチョル

Nam Dong-chul

釜山国際映画祭プログラム・ディレクター

Cine21のジャーナリストを経て、Asian Film Marketのゼネラル・マネージャーとして釜山国際映画祭に参加し、2013年から18年までコリアンシネマ部門のプログラマーを務めた。現在、同映画祭のプログラム・ディレクター。

大九明子

大九明子

Akiko Ooku

映画監督

横浜生まれ。明治大学政治経済学部卒業。1997年、映画美学校の第1期生となる。2007年『恋するマドリ』で商業映画デビューし、17年『勝手にふるえてろ』では第30回東京国際映画祭コンペティション部門観客賞、第27回日本映画プロフェッショナル大賞作品賞を受賞。最新作『甘いお酒でうがい』が本年度高雄映画祭に正式招待された。

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