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2019.11.03 [イベントレポート]
役所広司、初挑戦のワイヤアクションで27時間宙ぶらりん「体中がアザだらけに」
オーバー・エベレスト 陰謀の氷壁
©2019 TIFF

俳優の役所広司が主演の日中合作『オーバー・エベレスト 陰謀の氷壁』が11月3日、第32回東京国際映画祭の特別招待作品としてワールドプレミア上映された。

役所は共演のチャン・ジンチュー、リン・ボーホンとユー・フェイ監督、プロデューサーのテレンス・チャンとともに、TOHOシネマズ六本木ヒルズ前の大階段に敷かれたブルーカーペットに登場。チャンの手を取ってエスコートする紳士ぶりを見せ、「アジア各国にとどまらずカナダ、ニュージーランドのスタッフたちと力を合わせて作りました。参加できて幸せです」と感激の面持ちで話した。

世界最高峰エベレストの山頂付近に落ちた重要文書をめぐり、救助隊とテロリストが攻防を繰り広げる山岳アクション。役所は撮影前半で足を負傷したが、「ジンチューと林くん(リン)が面倒を見てくれました」と感謝。初挑戦のワイヤアクションでは27時間つるされ続けたこともあったそうで「あまりうまくないので、体中がアザだらけになりました」と苦笑した。

アクションシーンを共にしたチャンは、「役所さんにそこまでさせたユー・フェイ監督は恐れ知らず。日本だったら抗議の対象になる」と告白。それでも「撮影が終わったら、何事もなかったかのように愚痴も言わずニコニコされている姿に感動した。その笑顔に心がとろけそうになった」とうれしそうに明かした。

リンも、「普段はとてもやさしく穏やかなのに、本読みで一気にまとう(役の)雰囲気に引き込まれた」と最敬礼。役所は、「たくさん褒められてうれしいですね。愚痴を言わなかったと言われたけれど、多分日本語だったから分からなかったんだと思う」と照れながら語った。

そして「随分前から、アジアの国々が力を合わせれば面白いものになると思っていたので、いいチャンスをいただいた。ごちゃまぜの言語が飛び交った現場だったが、映画好きが集まり、映画という言語を通じて素晴らしいチームワークができた」と満足げ。本作が初監督となったユー監督に対しては、「将来、大監督になる予感がする。ただ、女性にかなりモテるそうなので、そこで人生につまずかなければ素晴らしい監督になる」と辛口のエールを送っていた。

『オーバー・エベレスト 陰謀の氷壁』は11月15日に全国公開。

第32回東京国際映画祭は、11月5日まで開催。
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