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2019.11.03 [イベントレポート]
東京ファンタ14年ぶりに復活!オールナイトイベントで”今後の復活プロジェクト”決定の発表も
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ゲスト全員で記念撮影!

東京国際映画祭の協賛企画として1985年から2005年まで開催されていた伝説の映画祭「東京国際ファンタスティック映画祭」(通称:東京ファンタ)が11月2日深夜、「シン・ファンタ/復活!?東京国際ファンタスティック映画祭ナイト」と銘打たれて一夜限りの復活を果たし、『ミッドサマー』『悪人伝』『爆裂魔神少女 バーストマシンガール』の3本をTOHOシネマズ六本木ヒルズで上映した。

「東京ファンタ」は、アニメ、アクション、SF、ホラー映画などのジャンル映画の祭典として、多くの映画ファンに愛されてきた伝説的な映画祭。会場には往年のファンのみならず、「東京ファンタ」初体験となる若い観客も多数来場した。

本映画祭復活プロジェクトの発起人である大場渉太氏が「渋谷パンテオン、新宿ミラノを経て、六本木に戻ってきました!」と宣言すると、会場は大歓声。『爆裂魔神少女 バーストマシンガール』に出演する俳優の坂口拓も、「俺たちはファンタっ子だから。『ゾンビ』3部作とか見てたよね。俺らがここに立つのは考えられないくらい。思い出深いですよね」としみじみ。さらにバイオレンスアクション『野獣処刑人 ザ・ブロンソン』で映画初主演を果たした“チャールズ・ブロンソンのそっくり俳優”ロバート・ブロンジーも駆けつけ、「東京ファンタ」復活を祝福。あごに手を添えるブロンソンの「マンダム」ポーズまで披露し、会場を沸かせた。

1本目は、『ヘレディタリー 継承』が高い評価を集めたアリ・アスター監督の第2作『ミッドサマー』で、上映後には映画ライターの高橋ヨシキ氏が登壇。劇中のあるキャラクターが『ベニスに死す』の美少年役だったビョルン・アンドレセンであるという話や、『ドクター・ストレンジ』をはじめ近年のサイケデリック映画の流れが本作に連なっているといった話などを披露した。その後も、映画ライターのよしひろまさみち氏を迎え、『悪人伝』のトークショーを展開。今回、主演のマ・ドンソクの日本招聘に向けて動いていたそうだが、マーベルの新作『エターナルズ(原題)』の撮影で叶わず。代わりにマ・ドンソクからビデオメッセージが届けられ、日本語で「アイシテマス!」とファンにメッセージを送るひと幕もあった。

さらに、『アントラム 史上最も呪われた映画』冒頭8分上映、『犬鳴村』冒頭10分上映など、来年公開予定の作品をひとあし先に大スクリーンで上映するなど、往年の「東京ファンタ」らしいイベントが次々と繰り広げられ、会場も大盛り上がり。そんな「東京ファンタ」復活を受け、スクリーンには映画評論家・町山智浩氏から「雑誌「映画秘宝」は、東京ファンタがなければ生まれていなかった。ファンタスティック映画祭がない国は恥ずかしい。せっかくこうやって「東京ファンタ」を復活させたんだから、これは死ぬまでやりましょう。みんなも死ぬまで応援しましょうね。ここできちんと復活させないと、日本は本当にさみしい国になってしまいますから」というビデオメッセージが映し出された。

そして、クリエーターのいとうせいこう氏もビデオメッセージを寄せ、「僕も「東京ファンタ」の残党たちとともに、「したまちコメディ映画祭」などいろいろやっていましたけど、大元の「東京ファンタ」が復活するということで、彼らは全然あきらめていない、へこたれていないんだなということが素晴らしい。せっかくの財産をなくすのは惜しいと思っているし、僕も全力を尽くしたいと思うので、何かあったら呼んでいただきたい」とエールを送った。

さらに東京国際映画祭、映画秘宝編集部、高橋ヨシキ、山口雄大監督、井口昇監督、清水崇監督、西村喜廣監督、ハリウッド・コンベンション・ギャラリー、「東京コミコン」スーパーバイザーの杉山すぴ豊氏、江戸木純氏ら、多くの映画関係者が「東京ファンタ」へのサポートを表明。それらの思いを受け、大場氏も「我々の思いは、次の世代につなげるということ。ここで改めて「東京ファンタ」の復活プロジェクトを立ち上げたいと思います! 今日はキックオフイベントということになるので、またこういう形でお目にかかれればと思います。今日は朝までお付き合いくださいましてありがとうございます!」と会場に呼びかけた。

第32回東京国際映画祭は、11月5日まで開催。
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