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2019.10.31 [イベントレポート]
米プロデューサーが手掛けた英語のインドネシア映画 コロンピス監督「メッセージが伝われば言語は関係ない」
フォックストロット・シックス
ランディ・コロンピス監督(右)と、 俳優のオカ・アンタラ

第32回東京国際映画祭の「CROSSCUT ASIA #06 ファンタスティック!東南アジア」で、インドネシア映画『フォックストロット・シックス』が10月31日、東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで上映され、ランディ・コロンピス監督と、俳優のオカ・アンタラが観客とのQ&Aに応じた。

 近未来のインドネシアを舞台にしたSF大作。食糧不足で人類の危機が迫るなか、元海兵隊員で国会議員に転身したアンガは仲間とともに敵に挑む。『ザ・レイド GOKUDO』のアンタラらスター俳優が出演。『ランボー』『ターミネーター』『氷の微笑』シリーズを手掛けたマリオ・カサールがエグゼクティブプロデューサーを務める。

 米国で映像製作を学び、短編映画やCMを手掛けてきたコロンピス監督の長編デビュー作。「プレッシャーは大きかったですが、映画を作るということはどんな作品でも難しいもの。予算やサイズは関係ありません。アイデアは8年前に思いつき、きちんと作って皆さんに楽しんで欲しいという思いだけで作った作品です。こういう機会を得て、さまざまな方々からサポートしていただけて非常にラッキーでした」と日本でのお披露目を喜ぶ。

 CGやVFXを多用し、ハリウッド映画さながらの迫力を持つアクション大作に仕上がった。「これまでに影響を受けた作品はたくさんありすぎて全てを挙げられません。1980~90年代に育ったので、その時代へのラブレターです。CGは漫画やアニメに影響を受けています。視覚的にハイテクとローテクを組み合わせるのが面白いと考えています。インドネシアは経済格差が大きいので、高層ビルのすぐ近くにスラムがあります。それらを組み合わせたことも面白い結果になりました。また、CGを使うインドネシア映画は珍しいので、今回うまくいってよかったと思います」と作風を説明した。

 全編のセリフを英語とした理由は「自分自身、英語で書くのが楽だったので脚本も英語で書きました。また、プロデューサーのマリオに相談し、海外での販売も考え、英語を選びました。ストーリーはひとつの国や場所に特定されないものなので、闘いやメインキャラクターを通じて描いた人間の良さという物語のメッセージが伝われば言語は関係ないと思った」と明かす。続編製作の企画について問われると「2作目が作れればより良いものが作れるのではないでしょうか。続編かスピンオフになるのかは分からないけれど、もっと作れたらと思っています」と意欲を見せた。

 インドネシアのトップ俳優として知られるアンタラだが、アクション映画の主演は初。「非常にタフでした。3つ4つ激しいシーンがあります。これまで武術の経験がなかったので、練習する必要がありました。武術や銃の扱い方など撮影前のトレーニングのほうが大変でした」と振り返り、「グレーなキャラクターを演じることが難しかった。傲慢だった人物がとあることがきっかけで、観客の求めるような人間になっていく過程を演じるのが難しかった」と役作りを語った。

 第32回東京国際映画祭は、11月5日まで開催。
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