金子大地と石川瑠華が共演したラブストーリー『
猿楽町で会いましょう』が10月30日、東京・六本木で開催されている第32回東京国際映画祭の日本映画スプラッシュ部門で世界初上映された。金子と石川、メガホンをとった児山隆監督が、TOHOシネマズ六本木ヒルズでの舞台挨拶に臨んだ。
鳴かず飛ばずのフォトグラファーと読者モデルの恋と青春の物語。ドラマ「おっさんずラブ」で注目を集めた金子と、『イソップの思うツボ』『恐怖人形』の石川が顔をそろえた。もともと映像関係の仕事をしていて、ずっと映画を撮りたかったという児山監督は、予告編映像を審査する映像コンテスト「未完成映画予告編大賞」に応募。グランプリを獲得し、映画化が実現した。
本作で長編映画デビューを果たした児山監督は、「(予告編の)主役をどうしようかと考えた時に、Instagramで石川さんの写真を拝見しまして。当時(石川さんは)女優の仕事を全然やっていなかったそうなんですが、『この人、すごい実在感があるな』と思いました。インスタのDMで連絡をとって、『怪しい人じゃありません』と言ってオファーしたら、石川さんから『オッケーです』と返事をもらえました(笑)」と、ユニークな経緯を明かす。さらに、「映画化が決まった時も、石川さんを最初にキャスティングしました。『石川さんだけは絶対に残したい』とプロデューサーに伝えたんですが、全員一致で決まりました」と、石川の演技が作品に不可欠なものだったと熱弁。石川は「演技を始めた頃の自分と(演じた)ユカが似ていたので、少し前の自分になろうとしていました」と役づくりを振り返った。
金子に関しては、児山監督が出演作品を見て「すごく面白い人だな、会ってみよう」と興味を抱いたという。「初めて会った金子さんは、僕が(作品で)見てきたどの金子さんとも違っていて。そのことが、すごくぐっときた。会って30秒くらいで(出演を)お願いしました」と述懐。対する金子も「今までやったことのない役」だと役どころの印象を語り、「2分間の予告を見た時に、石川さんの表情が印象に残っていて。長編映画では、もっと石川さんの表情を引き出したいと思っていました」と語る。最後に児山監督は「2人の俳優は、この映画の中でみずみずしくて新鮮で美しくて自由で。初監督映画にこの2人を主演に迎えられて、心から感謝しています。2人のお芝居というか、存在を存分に感じて頂ければと思います」とメッセージを残した。
第32回東京国際映画祭は、11月5日まで開催。