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2019.10.29 [イベントレポート]
チャン・ツィイー審査委員長、選考に意欲「多種多様な作品選ばれている」

コンペ審査員記者会見_1029

会見した(左から)廣木隆一監督、ジュリー・ガイエ、チャン・ツィイー審査委員長、ビル・ガーバー、マイケル・ノアー監督


第32回東京国際映画祭で、コンペティション部門の審査員を務める中国女優チャン・ツィイー、米プロデューサーのビル・ガーバー、仏プロデューサーで女優のジュリー・ガイエ、デンマークのマイケル・ノアー監督、廣木隆一監督が会見した。
 
審査委員長のチャンは、同映画祭について「非常にオープンな国際舞台。コンペも幅広い視点で、それぞれの国の文化が反映された多種多様な作品が選ばれていると思う」と評価。その上で、「中国の映画も多くの賞をいただいている。チャン・イーモウ監督が最優秀男優賞をもらったこともあったわね」と、自身の出世作である『初恋のきた道』の恩師が87年『古井戸』で受賞したことをジョーク交じりに称えた。
 
“日本代表”の廣木監督は、「普段は審査される側なので、審査をするのがこれほど緊張するのかとつくづく思う」と苦笑。「面白い作品が見つけられたらと思う。公正に審査したい」と抱負を述べた。
 
これまで『グラン・トリノ』『アリー/ スター誕生』などを手掛けたガーバーは「珠玉の名作ぞろいのようだから楽しみ。日本映画にふれるのも楽しみ」と笑顔。昨年『氷の季節』で審査員特別賞を受賞したノアー監督は、「期間中、どこかでカラオケに行きたい。フランク・シナトラの「夜のストレンジャー」を練習しているんだ」と冗談めかした。
 
東京国際映画祭の世界における影響力を危惧する質問も出たが、チャンは「それは杞憂だと思う。私にとっては素晴らしい映画を上映している映画祭という印象。今年のカンヌで『パラサイト 半地下の家族』がパルムドールを受賞し、世界中で話題になったように、映画関係者だけでなく観客の皆さんが話し合えるようになればいいのでは」と持論を展開。廣木監督は、「東京はビッグ・シティで、いろいろな行事がある。国が文化に対して口を出さず金を出してくれればいい」と独自の見解を示した。
 
第32回東京国際映画祭は、11月5日まで開催。

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