11/2(土)アジアの未来『死神の来ない村』上映後、レザ・ジャマリさん（監督・脚本・プロデューサー）をお迎えし、Q&Aが行われました。
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レザ・ジャマリ監督（以下、監督）：みなさん、ようこそ。私の作品を観にいらしていただいて、ほんとうにありがとうございます。自分のデビュー作を東京で皆さんと一緒に観ることを楽しみにして来ました。これは自分の初めての長編映画で、初めて日本でプレミア上映をできることはとても光栄だと思いますし、今、皆さんと一緒に上映を観ましたが、最後まで皆さん、劇場を出ずに観ていただいたことがとても嬉しかったです。ほんとうにありがとうございます。よろしくお願いします。
 
石坂健治PD（以下：石坂PD）：このロケ地について教えて下さい。
 
監督：場所的にはアゼルバイジャン州というトルコ側のイランの中の一つの州です。その中にアルデビルという町があって、その周りには美しい村がいっぱいあります。その村にたどり着くのは、とても難しい険しい道があるのですが、とても美しいロケーションで、そこを使ったほうがいいかなと思って行ってみました。映画のすべては、そのアルデビルの近くの村で撮っています。
 
石坂PD：女湯もあるのですか？
 
監督：午前中は女性用で、昼過ぎから男性用に変わります。おじいさんがメインのお話なので午後の撮影が多かったのですけども、3～4日間はそのお風呂は自分たちのロケとして使ってたので、それはずっと男性用として使っていました。
 
Q：年老いた独身の男性ばかりのコミュニティが出てきますが、こういったコミュニティ、それに似たようなものっていうのはイランに実際あるのでしょうか？
 
監督：3～4人のおじいさんが同じように結婚しておらず、恋愛の経験もなく一緒になって生活しているという状況を脚本にしました。生活していく中で、今までの人生の中で恋を経験していないことをすごく後悔していて死ぬわけにいかないというコミュニティを想像しました。実際には存在していないと思いますよ。
 
Q：出演者の実際の年齢、ベテランの俳優さんなのか、撮影の際の苦労話や面白話などあったら教えてください。
 
監督：みなさん、70歳オーバーで素人の方です。その村の人もいれば違う村からオーディションで選びました。素人なので脚本の読み方やセリフを回しを上手にというのは無理だったので、実際に撮る時にいろんな話をしてあげて、それで彼らの口からセリフを言ってもらいました。現場で決めて、言ってもらうこともありました。
メインキャラクターのアスランを演じた彼は舞台役者なんですが、今までカメラの前で演じたことがなくて、初めての長編映画出演でした。他のおじさんたちっていうのは、やはり自分の生活の中では刺激があるものがなかったので、撮影現場をとても楽しんでいたって感じです。陽気な方もエンジョイしている様子で、最後までとても協力的で、楽しく撮影を終わらせたんじゃないかなと思います。
 
Q：ユニークなアイデアでしたが、どうやって浮かんだのでしょうか？
 
監督：まずですね、10年前なんですけれども、この映画と同じテーマの短編を作ったんですね。短編映画は、たくさんのイランの中の映画祭で受賞したり、いろんな批評家に、これはやはり長編をした方がよくないですか、と言われて、10年前からこの同じテーマの長編を撮りたかったんですけれども、まあ色々大変な状況の中で、特におじいさんたちを選ぶのは大変だったと。自分のイメージの中にあったその状況の中で、そういうおじいさんたちを置かれて、これを作るっていうのは、やはり10年間は考えたうえで、やっとこれを現実になって作ったんですよね。ですから、同じテーマを前に経験して、短編を作ったことがあります。
 
Q：どういう作品に監督が影響を受けてきたのかをお聞かせいただければと思います。
 
監督：特に作品や監督に影響を受けたわけではないというのが答えになるでしょうか。今までは自分は17本の短編を作ってきました。選ぶテーマは、なんとなく暗いテーマが多かったですね。
ブラックコメディのようなテーマを扱って映画を作っていることが多いのかなと思いますね。