プラッチャヤー・ピンゲーオ監督と女優のプロイユコン・ロージャナカタンユー
第32回東京国際映画祭の「CROSSCUT ASIA #06 ファンタスティック!東南アジア」で、フィリピン映画『
Sisters』が11月1日、東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで上映され、プラッチャヤー・ピンゲーオ監督と女優のプロイユコン・ロージャナカタンユーが観客とのQ&Aに応じた。
『マッハ!』『チョコレート・ファイター』など数々のヒット作を手がけ、アクション映画の名匠と知られるピンゲーオ監督が「ガスー」「クラスー」と呼ばれる、東南アジア各地に伝わるおばけをモチーフに、姉妹として育てられた従姉妹ウィーナーとモーラーの秘密を描いたホラーアクション。
ピンゲーオ監督は「幼い頃にガスーの映画を見ていて、強い記憶がありました。『マッハ!』と同じ時期97年頃に一度映画化の企画がありましたが、ガスーはCGが発達するまで待とうと思ったのです」と、このタイミングでタイの伝統的なおばけ映画に挑戦した理由を明かす。
本編では、姉妹とおばけたちの対決シーンも見どころのひとつだ。「私はいろんな映画を撮りたいのですが、観客は私にアクション映画を期待します。ですから、この映画は姉妹の物語ですが、アクションスターではないプロイユコン(・ロージャナカタンユー)にも、トレーニングをして臨んでもらいました。今度はバナナのおばけを撮ってみたいと思っています」と語り、日本でも公開予定であることを発表した。
秘密を持った妹を守ろうとする姉を演じたロージャナカタンユーは、「普通にセリフを話しても、後からCGが入ることを考えて話さなければならないので想像力が必要でした。また、今より5キロやせていたので、アクションシーンを演じるのが難しかったです」と撮影を振り返り、「精一杯がんばりましたし、有名なピンゲーオ監督の作品に出られて良かった。これからも映画に出たいのでオファーがあればぜひ連絡をください」とアピールした。
アイドルグループ「BNK48」のミューニックことナンナパット・ルートナームチューサクンが妹モーラーを演じる。この映画の撮影当時、ミューニックはBNK48に加入していなかったそうで、ピンゲーオ監督は「最初は知りませんでしたが、オーディションで彼女を見てぴったりだと思いました。演技も申し分なかったです」といい、「解剖されたカエルをなめるシーンに本物を使いました。おなかにラップを貼ったのです。臭いがしましたが、彼女はよくやってくれました」と、女優魂を称えた。
第32回東京国際映画祭は、11月5日まで開催。