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2019.10.31 [イベントレポート]
佐倉綾音「観客の“演技”が完璧」 一夜限りの特別な空間を創出した『プロメア』応援上映
プロメア
司会の氷川竜介、中島かずき、 今石洋之監督、佐倉綾音(左から)

劇場アニメ『プロメア』が10月30日、第32回東京国際映画祭の「ジャパニーズ・アニメーション THE EVOLUTION OF JAPANESE ANIMATION/VFX」部門で上映された。

同部門の“エンタテイメント枠”にあたる『プロメア』は、海外からの観客やメディアに、日本ならではの応援上映スタイルを体験してもらうのが狙いのひとつ。初の試みとなる英語字幕版での応援上映の前に、今石洋之監督と脚本家・劇作家の中島かずきが登壇すると、早くも「かずき!」「洋之!」と応援の歓声があがり、ボルテージは最高潮。「自分のうちわがつくられるなど、『プロメア』のおかげで人生の違う扉が開いた気がします」と中島は満面の笑みを浮かべる。今石監督は「最初の応援上映のときから、どれだけ進化しているのかとても楽しみです」と期待を寄せ、ふたりも客席に座ると会場からは大きな拍手がおくられた。

上映後に、アイナ・アルデビット役の佐倉綾音がサプライズ登壇。自身が出演する作品に通いつめたことがあるほどの応援上映ファンだという佐倉は、「観客の皆さんの“演技”が完璧でした」と興奮気味に語る。普段は可視化されない観客のさまざまな反応を体感できるのが「たまらなく好き」で、「演技の勉強にもなる」と応援上映への思いを熱弁した。今石監督は「自主訓練の団結をものすごく感じました。セリフの合唱や、細かい合いの手のクオリティが段違い」と絶賛し、「いちばん好きなのは、湖でのキスコール(主人公ガロと佐倉が演じるアイナの顔が近づくシーン)ですね」とうれしそうに語った。

自身が書いたセリフを音読されることを中島は、「日本人は七五調のリズムを会得しているのでしょうね。皆さん、ちゃんと韻をふんで言ってくれる」と分析し、舞台と同じように観客との化学反応がその場だけの特別な空間をつくる応援上映を「日本のお客さんはここまできました」と述懐。佐倉が「皆さんが“作品”ということですね」と返すと、中島は「作品のうえに皆さんがいて、新しい何かが生まれているんですよね。この瞬間だけが、我々がNetflixに勝てる瞬間かもしれません」と冗談めかして語った。

同作は、「キルラキル」「SSSS.GRIDMAN」などで人気のアニメーションスタジオ・TRIGGER初の長編オリジナル劇場アニメ。消防隊「バーニングレスキュー」の新人ガロが、攻撃的なバーニッシュ集団のリーダーであるリオと対立しながらも、やがて世界の危機に立ち向かっていく。5月24日の公開以来ロングヒットを記録し、興行収入は13億7000万円に達している。

第32回東京国際映画祭は、11月5日まで開催。
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