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2019.05.27 [更新/お知らせ]
国際交流基金アジアセンター主催、公益財団法人ユニジャパン共催 響きあうアジア2019 「『サタンジャワ』サイレント映画+立体音響コンサート」初公演 舞台出演者決定のお知らせ

響きあうアジア2019国際交流基金アジアセンター主催、公益財団法人ユニジャパン共催で、日本と東南アジアの文化交流事業を幅広く紹介する祭典「響きあうアジア2019」の一環として、2019年7月2日(火)に開催する「『サタンジャワ』 サイレント映画+立体音響コンサート」の公演に、舞台出演が決定していた「水曜日のカンパネラ」コムアイ氏に加え、インドネシアから才能豊かな俳優、ボーカル、楽器奏者らが多数来日し、出演することが決定しましたのでお知らせいたします。

公演では、映画『サタンジャワ』の出演者ルルク・アリ・プラセティオ氏、ヘル・プルワント氏、ドロテア・クイン氏の3名が、サイレント映像の中から抜け出したかのように、その声と舞踊を披露します。詩人であり舞台や映画でも活躍する国際的アーティストであるグナワン・マルヤント氏は、詩やマントラを舞台上で自在に操ります。ほかにもインドネシア伝統楽器の奏者など、一流アーティストが来日予定です。
 
また、音楽・音響を手がけるサウンドデザイナー森永泰弘氏が、今回のために4月にインドネシアに渡航し、リサーチとフィールドレコーディングを実施しました。コムアイ氏も加わり、国や文化を超え、インドネシアの音楽家とのセッションが行われました。この様子についてもあわせてご報告いたします。
 
■来日アーティストプロフィール

響きあうアジア2019ルルク・アリ・プラセティオ Luluk Ari Prasetyo
(歌唱・舞踊/映画:サタン役)
1982年生まれ。ジャワ舞踊家、コンテンポラリーダンサー・振付家。インドネシア国立芸術大学スラカルタでジャワ宮廷舞踊を研究。エコ・スプリヤント、サルドノ・W・クスモ、シェン・ヘー・ハー、ファジャール・サトリヤディ、北村明子、スー・ウェンチー、デディー・ルーサン等の振付家、パパ・タラフマラ作品、ヌグロホ監督の映画「オペラジャワ」等出演多数。

響きあうアジア2019ヘル・プルワント Heru Purwanto
(歌唱・舞踊/映画:主人公(男)役)
5歳より芸術の世界に身をおき、インドネシア芸術専門高等学校(SMKI Yogyakarta)、インドネシア国立芸術大学スラカルタで舞踊を研究。国外プロジェクトにも多く参加し、国内外の多くの振付家の作品に参加。国際フェスティバルやコンペティションの受賞歴多数。また、俳優としても広く知られ、スリウェダリのワヤン・オラン劇(舞踊劇)に出演している。

響きあうアジア2019ドロテア・クイン Dorothea Quin
(歌唱・舞踊/映画:主人公(女)の母親役)
幼少期より舞踊をはじめ、インドネシア国立芸術大学スラカルタにて研鑽を積み、サルドノ・W・クスモ、レトノ・マルティ、エコ・スプリヤントの他、ガリン・ヌグロホなどより指導を受ける。 レヘイン・エイブラハムズなど国際的なアーティストたちの作品にも多く参加しており、現在は自身が立ち上げたグループを率いてジャワ舞踊の振り付けなどスラカルタのスタジオにて活動している。

響きあうアジア2019グナワン・マルヤント Gunawan Maryanto
(詩朗読・マントラ/舞台・映画俳優・吟遊詩人) 
1976年生まれ。ジョグジャカルタ出身。演出家、俳優、作家。1994年からジョグジャカルタを拠点とする劇団テアトル・ガラシに参加、俳優として主要作品に出演するほか、劇作も手がける。小説・詩集などの執筆作品では受賞暦多数。2010年よりインドネシア・ドラマティックリーディング・フェスティバルを主催。2017年、 ヨセップ・アンギ・ノエン監督“Solo, Solitude”で主演。同作品で、インドネシア映画の父といわれるウスマル・イスマイル監督の賞、Usmar Ismail Award 2017で最優秀男優賞を受賞。

響きあうアジア2019テグー・プルマナ & アクバル・ネンディ Teguh Permana & Akbar Nendi
(弦楽器タラワンサ&カチャピ)
インドネシアジャワ島西部の民族、スンダ人のデュオ。インドネシアの宗教的儀式や伝統の流れを組む音楽をコンセプトに発信。メロディーを奏でるタラワンサ、連なるジュントレン、2つの弦楽器によるアンサンブルが瞑想空間を形成し、導いていく。 テグー・プルマナは、エレクトロ・エクスペリメンタルミュージックシーンで注目を集めるタラワンサ・デュオ「Tarawangsawelas」(タラワンサウェラス)のメンバーとしても活躍。アクバル・ネンディはジュントレン伝統奏者の新星として幅広く活動中。

響きあうアジア2019ハイディ・ビン・スラメッ & アンドリ Haidi Bing Slamet & Andori
(太鼓ほか)
ハイディ・スラメッは、15歳より伝統芸術の舞台に立ち、州、国、国外へとその活動の場を広げる。サロン・ド・ツーリズム パリ(2010年)出演、インドネシア・ダンス・コンペティション(ジャカルタ 2009年、2013年)優勝など国際的にも活躍。地域の教育普及事業にも従事する傍ら、自作のバイオリン制作にも取り組み、国内外のアーティストに提供するなど音楽活動の幅は多岐に渡る。

 
■監督、音楽・音響デザイン、ボーカル
監督:ガリン・ヌグロホ Garin Nugroho
音楽・音響デザイン:森永泰弘 Yasuhiro Morinaga
舞台出演:コムアイ KOM_I
3名のコメント・プロフィールはコチラ
 
■インドネシア フィールドレコーディング レポート
響きあうアジア2019
森永曰く「ガリン・ヌグロホとは長年の友人関係であり、僕が東南アジアの調査に行く際の教示者でもある。彼が長年耕したフィールドの地に僕は幾度も足を運び、現地の音楽家やアーティストとの交流を支えてもらった」。本プロジェクトにあたり、森永泰弘が10年に渡ってインドネシアで築き上げたネットワークを駆使し、多方面にリサーチ。「群島国家の日本とインドネシアの異文化の繋がりを<今>の視点から問い直すアプローチを』との思いから、ジャワ島西部に位置するジャカルタ・バンドゥンから、ジャワ島中部のジョグジャカルタ、そして東ジャワの端に位置しバリの文化とも深く関わりのあるバニュワンギ、およびスラウェシ島へと足を運びました。
ジャカルタから南下、バンドゥンからは「Tarawangsawelas」名のデュオで台頭を表しつつある若手演奏家のテグー・プルマナの導きで、世代を超えた現地ミュージシャンとセッションを。続くジョグジャカルタでは、ガジャマダ大学のハルヨノ教授にジャワ島の神秘主義について教示を受け、隣町のスラカルタを訪問、ヌグロホ監督選出の『サタンジャワ』出演俳優・舞踊家とも面談を重ねました。コムアイが合流したスラウェシ島においては、コーディネーターとともに南スラウェシのディープなリサーチ旅を敢行。マッカサルより南方のLimbungでは、ゲンドラン(両面太鼓)奏者として名高いダヤン・ミレを訪問、氏の厚意で、親族の結婚式前夜のセレモニー「Korongtigi」に参列。インド舞踊や能楽にも明るいコムアイは、セレモニーで「Pakarena」と呼ばれる踊りを踊る少女たちから扇の振付けを教わる場面も。また、ブギス族社会における宗教司祭Bissuによる儀式「Ma’bissu」も特別に許可を得てレコーディングし、食事を囲んで談話。このほか、約4万年前のものとされる壁画と手形が発見された「リアン・リアン先史公園」の洞窟内でもレコーディングを実施しました。最終地、東ジャワのバニュワンギでは、音楽家としてのみならず、教育者、指導者としても尊敬を集めるハイディ・ビン・スラメッの導きで、オシン族のコミュニティを重点リサーチ。オシン族から2名の演奏家(ハイディ・ビン・スラメッ、アンドリ)の初来日が決定しました。
 
■コムアイ(舞台出演)出演に寄せて
1万7千もの島々が、星屑のように散らばるインドネシア。 一つの島を覗いてみても、たくさんの誇りを持った部族が暮らしているのがわかります。わたしが訪れたスラウェシ島には、死を祝うトラジャ族、黒装束のカジャン族、商いの得意なブギス族、といった具合で、この21世紀でも、それぞれに魅惑的な生活様式、儀礼、音楽、舞踊、装束を持ち、テレビ番組の「世界ふしぎ発見!」だったら、インドネシアで一年は持つとおもいます。 そして、今回の短い旅では興味のありそうなドアがたくさん見えてきて、それを開けることは全く追いつかず、宇宙に放り出されたような気持ちになりました。本の目次が見えてきて、わくわくしたところで帰ってきたような。土ぼこりの立つ田舎の村で異邦人として存在し、旅芸人として踊り、奏で、遊び、全身でその土地のリズムを身体に吸収してきました。もう忘れてしまったけれど。 このインドネシアという、蒸し暑い宇宙を一つにまとめられるガリン・ヌグロホ監督の作品はどれも素晴らしく、その中でもわたしのお気に入りとなった『サタンジャワ』、観客全員を宇宙船に乗せ、インドネシアの旅にお連れできるように、船長の森永さんと計画を練っていきたいとおもいます。
 

響きあうアジア2019■公演情報
詳細はコチラ
名称:『サタンジャワ』 サイレント映画+立体音響コンサート  
主催:独立行政法人国際交流基金アジアセンター
共催:公益財団法人ユニジャパン
後援:駐日インドネシア大使館
会場:有楽町朝日ホール
公演日時:2019年7月2日(火)14:00開演/19:00開演(2回公演)
上映作品:『サタンジャワ』 SETAN JAWA/2016 年/70 分/モノクロ/サイレント
監督:ガリン・ヌグロホ
音楽・音響デザイン :森永泰弘
舞台出演:コムアイ(水曜日のカンパネラ)、日本・インドネシア特別編成音楽アンサンブルほか
音楽・音響製作:concrete
制作:(株)オカムラ&カンパニー

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