2019年10月28日(月)~11月5日(火)に開催する、第32回東京国際映画祭は「映画の未来の開拓」を重要なコンセプトの一つとして掲げています。映画を「見る人、作る人を育てる」ことを目的としたユース部門の特別企画として、全国各地でこどもたちを対象に映画鑑賞・制作ワークショップを開催してきた「(一般社団法人)こども映画教室」と共に、3年目となる、中学生向けの映画制作ワークショップ「TIFFティーンズ映画教室2019」を夏休み期間中に実施することが決定いたしました。特別講師として第30回東京国際映画祭の日本映画スプラッシュ部門において『ひかりの歌』がワールド・プレミアとして上映された杉田協士監督を迎え、東京国際映画祭のメイン会場である六本木ヒルズをロケ地として、プロの映画監督やスタッフとともに本格的な映画づくりに挑戦、完成した作品は今年度の東京国際映画祭にてワールド・プレミア上映いたします!
◆特別講師プロフィール◆
杉田協士(すぎた・きょうし)監督
1977年、東京生まれ。映画監督。長編第1作『ひとつの歌』が第24回東京国際映画祭「日本映画・ある視点」部門に、第2作『ひかりの歌』が第30回東京国際映画祭「日本映画スプラッシュ」部門に正式出品。それぞれ2012年、2019年に劇場公開。2002年より映画ワークショップ講師を各地で務める。対象は幼児から年配の人まで様々。小学校、中学校、高校、大学、特別支援学校、児童養護施設などでも数多く行う。こども映画教室では2010年の金沢で諏訪敦彦監督の回にチームリーダーとして初参加している。
⇒杉田協士監督をゲストにお迎えしたTIFF Studio第1回の模様はコチラ!
◆久松猛朗フェスティバル・ディレクター コメント◆
「TIFFティーンズ映画教室」は、東京国際映画祭の大きなミッションのひとつである「映画の未来の開拓」を担う企画として2017年にスタートしたものです。映画を実際に製作するという貴重な体験をとして、こどもたちにより深く理解してもらい、さらに興味を持ってもらうことで、将来の映画ファンを開拓し、また、その中から将来の映画製作者が生まれてくれれば、これほど嬉しいことはありません。
◆中学生と映画をつくるということ◆
「映画には、正解はありません。チームのみんなが最善と判断した納得解があるだけです。このとき、①大人が手出し口出ししない、ことで、こどもたちが否応なしに自ら考え、コミュニケーションをとり、決定していきます。そして、②本物の映画人に出会う、ことで、‟映画観“を体感していきます。講師やスタッフは中学生たちを見守り、応援し、認めていきます。このことは彼ら彼女らにとって大きな自信となるでしょう。中学生という、人生においてもっとも多感で、もっとも生きづらさを感じる年代と活動する意味は、自意識の塊であり、思春期真っ盛りの中学生たちにとって、この、人とかかわらずには完成させられず、また、自分と向き合わずにはいられなくなる映画づくりという体験がかならずや大きな成長をもたらすだろうと思うからです。
この活動は、映画づくりというキャリア教育でもあり、また、コミュニケーション能力を培うものでもあり、なにより人間教育としてこどもたちの大きな成長の機会となるでしょう。」(こども映画教室代表 土肥悦子)