©2019 TIFF
第32回東京国際映画祭のGALAスクリーニング作品『
カツベン!』が10月31日、東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで上映され、成田 凌、黒島結菜、永瀬正敏、高良健吾、音尾琢真、渡辺えり、小日向文世、竹野内豊、メガホンをとった周防正行監督が、レッドカーペットセレモニー(六本木ヒルズアリーナ)と舞台挨拶に出席した。
映画れい明期の大正時代を舞台に、活動弁士を夢見る青年・染谷俊太郎(成田)が、小さな町の映画館に流れ着いたことから始まる“アクション×恋×笑い”の要素を織り交ぜたエンタテインメント。レッドカーペットセレモニーに登場した成田が、準備、撮影を含め、半年間携わった本作を「時間というものを丁寧に扱った“宝物”のような作品」と話すと、周防監督は「初めての時代劇であり、それも“日本映画の第一歩”を描くということで、今までとは違う緊張感がありました」と述懐。「大事な作品」「楽しいひと時を過ごした」とキャスト一同が口をそろえる本作をアピールするべく、成田らはファン500人に対しサインや写真撮影に快く応じてみせた。
舞台挨拶では、活動弁士という難役に挑んだ成田、高良、永瀬が練習の日々を振り返った。「日本映画の独特な文化のひとつなので、それを短期間で習得できるはずがないんです。素晴らしい弁士の先生に指導して頂いたので、必死に、真摯についていきました」と永瀬が語ると、高良は「稽古が楽しくてしょうがなかった。映画の歴史も学べてラッキーでしたね。スター気取りの弁士役でしたが、3カ月の練習を経ることで『僕が一番上手いんじゃないかな』という気持ちで芝居に臨めましたね(笑)」と告白していた。
一方「ひたすら反復練習をする日々」を過ごした成田だったが、「ふと自分の意見が出てきた時から、(芝居が)楽しくなりました。師匠の真似をし続けるなかで、それは自分のなかの“オリジナル”に出合えた瞬間でした」と明かす。さらに「ひとつだけネタバレしていいんですか?」と前置きすると「最後に披露する“カツベン”があるんですが、それは教わっていないんです」と説明。すると、永瀬は同シーンを思い返し「あれは練習した身からすると、すごいです」と驚きの表情を浮かべていた。
渡辺は、国際映画祭ならではの通訳に慣れず、次から次へと暴走気味にトークを進めてしまい、爆笑をかっさらう。黒島について語り始めると「追っかけになるくらい大好き。今年、私の誕生日(1月5日)には、朝から晩まで1日中付き合ってもらった。その時、ひとつも嫌な顔をしなかったんです。そのことを友達に話すと、誰もが『渡辺に1日付き合ってくれた? 本当に良い子だね!』と(笑)」と話が止まらず。「普段はすごく地味な人なんですよ。どこにいるかわからないくらい。でもね、映画やドラマに出ると、とても輝く。(キャスティングした)監督は流石だと思いましたね」と熱弁した。
©2019 TIFF
渡辺のエピソードを大笑いしながら聞いていた成田は「先ほど、渡辺えりさんに『一緒にお芝居をしている時は大したことがないと思ったけど、(映画を見たら)演技が上手く見えた』と言われました(笑)」と暴露。渡辺が、思わぬ“口撃”に「そんな言い方してないじゃない! 私は『流石だね』って言ったんだよ! もー! あなた、チャーミングで良かったんだよ!」と慌てふためくと、「一度、通訳入れていいですか?」とにやり。改めて「大好きですよ」(渡辺)と微笑みかけられると、成田は「me too」と切り返し、場内の笑いを誘っていた。
第32回東京国際映画祭は、11月5日まで開催。『カツベン!』は、12月13日から全国公開される。