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2019.10.04 [更新/お知らせ]
第32回TIFF オープニング作品『男はつらいよ お帰り 寅さん』山田洋次監督登壇!日本外国特派員協会 記者会見レポート

第32回東京国際映画祭のオープニング作品の『男はつらいよ お帰り 寅さん』。第一作目の公開から今年で50年を迎え、シリーズで50作目となる、『男はつらいよ』の奇跡の最新作が東京国際映画祭の開幕を飾ります。この度、日本外国特派員協会にて毎年開催しております、東京国際映画祭の記者会見に、山田洋次監督をお迎えし、映画祭や作品に関する想いを語っていただきました。併せて、久松猛朗フェスティバル・ディレクターより、本年度の映画祭のハイライトについて解説。また、「Japan Now」部門 安藤紘平プログラミング・アドバイザーも登壇し、第32回TIFFの「Japan Now」部門や山田洋次監督に対する想いを語りました。
 
日本外国特派員協会 記者会見レポート

©2019 TIFF

 
山田洋次監督 コメント
半世紀以上にわたって、何十本の映画を作ってきました、だけど今度の映画を作るときに、初めてこんな映画を作るんだと驚きました。
いったいどんな映画になるのだろうという、不安と期待が撮影中、僕のなかにずっとあったのです。完成した後に、自分の映画を繰り返してみながら思ったことは、この映画を作るために50年の歳月が必要だったのだなということです。だから、長生きしたからこういう映画ができたのだなというのが今の感想です。
日本外国特派員協会 記者会見レポート

©2019 TIFF

 
フェスティバル・ディレクター 久松猛朗コメント
今年は令和元年の開催で、10月22日には各国の王族の方などが多く日本に来る、そしてラグビーワールドカップが開催されている。来年の東京オリンピック、パラリンピックに合わせて、今世界中の注目が日本に集まっていると感じました。それで日本の映画祭で日本の特集をするのは一番いいタイミングかなと思っていて、この機会に日本の優れた映像文化を広く紹介していけたらいいなと思っています。
 
安藤紘平 プログラミング・アドバイザー コメント
今の日本を代表する映画たちが、どんな日本の今とか、文化とか、日本の心、真の美意識、フィロソフィーを語ってくれるのかをお見せするのが「Japan Now」の部門の使命です。今回の山田洋次監督作品はオープニング作品にはぴったりで、『男はつらいよ お帰り 寅さん』は、今回本当に素晴らしい作品としてお見せできると思っております。
今年の「Japan Now」部門はもう一人のレジェンドである大林宣彦監督を特集します。
皆様もご存じの通り、大林監督はガンと3年前にがんを患いまして。その中で2年前『花筐/HANAGATAMI』という素晴らしい作品をつくられました。その後病と闘いながら『海辺の映画館―キネマの玉手箱』を完成なさいました。素晴らしい作品です。これらを含めまして、「Japan Now」部門では大林監督の5作品と、加えて日本を代表する9作品、合計14作品を上映いたします。
⇒「Japan Now」部門 作品一覧
 
山田監督へのマスコミからの質疑応答
Q:第32回東京国際映画祭への期待について何かお話しいただけますか。
A:色んな国に様々な映画祭があって、東京国際映画祭は日本を代表する映画祭ですよね。その東京国際映画祭の特徴は何か、魅力は何か、テーマを持つということがとても大事なことじゃないかと思う。そういう努力をし続けていって、この映画祭が世界のユニークな映画祭になるように心から映画人の一人として思う。
 
Q:88歳でこの映画を作ることは本当に著しいことだと思いました。機会がありましたら、どんな映画を作りたいか考えたことはありますか(ロシアの記者より)
A:困ったな…自分の歳のことを考えると怖くてね。映画どころじゃねぇよっと思ったりするのです。
でもまぁアメリカにはクリント・イーストウッドという監督がいるので頑張っているから、僕も一緒に頑張ろうかと思うのですけど。ポルトガルのマノエル・デ・オリベイラ監督、新藤兼人監督は100歳まで映画を撮られたから、まだまだ希望は持っていいんじゃないかな。
 
山田洋次監督 プロフィール
54年、東京大学法学部卒。同年、助監督として松竹入社。61年『二階の他人』で監督デビュー。
1969年『男はつらいよ』シリーズ開始。他に代表作として『家族』(70)、『幸福の黄色いハンカチ』(77)、『学校』(93)、『たそがれ清兵衛』(02)、『家族はつらいよ』(16)など。2008年より日本藝術院会員、12年に文化勲章を受章。 
 


 
■日時:10月3日(木)17:00~
■会場:公益社団法人 日本外国特派員協会(FCCJ)
■登壇者:
山田洋次監督(オープニング作品『男はつらいよ お帰り 寅さん』)
久松猛朗(東京国際映画祭 フェスティバルディレクター)
安藤紘平(「JAPAN NOW」部門プログラミングアドバイザー)  

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