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2019.09.26 [更新/お知らせ]
開催まで、あと1ヶ月! 第32回東京国際映画祭ラインナップ発表記者会見 報告レポート

第32回東京国際映画祭開催まで残すところあと約1カ月!本日六本木ヒルズタワーホールにて各部門の全ラインナップ・審査委員・各イベントの魅力・見所を発表する記者会見を開催しました。
 
イベント冒頭、8月に着任した安藤裕康チェアマンと久松猛朗フェスティバル・ディレクターより開催の挨拶と今回の企画や上映に関する発表がありました。
115の国と地域、1804本もの応募の中から14作品がコンペティション部門に選ばれ日本からも『喜劇 愛妻物語』と『ばるぼら』の2作品が選出されました。
 
本日はゲストとして、本年度のオープニング作品に決定した『男はつらいよ お帰り 寅さん』の山田洋次監督、コンペティション部門に選出された『喜劇 愛妻物語』から足立 紳監督、『ばるぼら』から手塚 眞監督が登壇しました。さらに「ジャパニーズ・アニメーション THE EVOLUTION OF JAPANESE ANIMATION/VFX」に出品される『プロメア』の脚本を担当した中島かずきさんが登壇しました。また、第32回東京国際映画祭のフェスティバル・ミューズを務める、女優の広瀬アリスさんからフェスティバル・ミューズとして選ばれた時の想いや、レッドカーペットへの意気込み等を語る特別映像が上映されました。
ラインナップ発表記者会見

©2019 TIFF

 
コンペティション部門の審査委員長は、『初恋のきた道』で鮮烈な映画デビューを果たし、以来『SAYURI』『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』などハリウッドでの活躍もめざましい、世界的な女優・チャン・ツィイーさん。今回は第16回の時のコン・リーさん以来の女性の審査員長を務めることになります。審査員として、『アリー/スター誕生』『グラン・トリノ』などを手掛け、アカデミー賞にもノミネートの経験のあるプロデューサー、ビル・ガーバーさん。2009年に『エイト・タイムズ・アップ』で東京国際映画祭最優秀女優賞を受賞した、フランスの女優でもあり、プロデューサーでもある、ジュリー・ガイエさん。昨年『氷の季節』で東京国際映画祭審査員特別賞を受賞した、北欧デンマークの気鋭、マイケル・ノアー監督。そして、日本からは、『ヴァイブレータ』で40以上の国際映画祭で数々の賞を受賞した、俳優女優陣から圧倒的な信頼を受けている廣木隆一監督。 以上、5名が審査委員です。
→審査委員ページはコチラ
 
第32回東京国際映画祭は10月28日(月)~11月5日(火)の9日間の開催期間中、170本の映画が上映され、世界中から訪れる様々なゲストが多数登場し、Q&Aやトークショーなど映画祭ならではのイベントが目白押しです。
 


 
<第32回東京国際映画祭 ラインナップ発表記者会見 概要>
■日時:9月26日(木)13:00~
■会場:六本木アカデミーヒルズ 49 階 タワーホール
■司会:笠井信輔アナウンサー
■ゲスト:
山田洋次監督(オープニング作品『男はつらいよ お帰り 寅さん』より)
手塚 眞監督(コンペティション部門『ばるぼら』より)
足立 紳監督(コンペティション部門『喜劇 愛妻物語』より)
中島かずき(THE EVOLUTION OF JAPANESE ANIMATION/VFXより)
 


 
【東京国際映画祭チェアマン 安藤裕康 コメント】
映画祭はどうあるべきかとよく聞かれるが、私は日本や世界中の優れた作品が一堂に会して、そこに映画を愛する方々が集まって、社会や人生について思いを巡らすことができる映画祭であるべきだと思っています。その意味で、今年は多種多様で立派なラインナップが揃ったと思います。
 
【東京国際映画祭フェスティバル・ディレクター 久松猛朗 コメント】
映画を見る喜びの共有/映画人たちとの交流の促進/映画の未来の開拓の3つのビジョンを掲げて、プログラミングを編成してきました。来年東京オリンピック、パラリンピックを控えて日本は世界で最も注目される国になると思っております。そこで日本をハイライトしたラインナップを揃えました。
 
【第32回東京国際映画祭フェスティバル・ミューズ 広瀬アリスさん VTRコメント】
今回フェスティバル・ミューズという素敵なお仕事を任せていただけるということで、とても嬉しく思います。
私でいいんですか?!というのが率直な感想でした。
過去、『巫女っちゃけん。』『銃』『旅猫リポート』で東京国際映画祭ではレッドカーペットを歩かせていただきました。
日本の方だけではなく、映画というものを愛している世界中の方々に観ていただく、これは私にとっては、とても特別な感覚で、一昨年の感覚、去年の感覚は、今でも忘れられません。独特の緊張感と、でも皆さんが温かく迎えてくれる、アットホームな感じが私はとても大好きなんです。この時間がずっと続いたら良いなと思えるくらい心地よい時間です。
そんな時間を少しでも多くの方と共有したいなと思っています。今からとても楽しみでなりません。
今回の東京国際映画祭で自分にとって「運命」と思えるような映画に出会えますように。「映画」の良さをもっともっと広めていきたいです。
 
【コンペティション部門選出作品『ばるぼら』監督 手塚眞さん コメント】
Q:ヴェネツィアなど海外の映画祭に招かれた経験がある中で、地元の東京国際映画祭でコンペ選出されていかがでしょうか。
A:本当に嬉しいです。実はここ数年作った長編映画がすべて映画祭で上映されています。3回目で初めてコンペ選出となり、ちょっとずつ自信がついてきて、本当に嬉しいです。
 
Q:原作は父・手塚治虫の異色作、この作品を選ばれた理由は何でしょうか。
A:読者の皆様は漫画の中では異色作といわれているが、私からするととても手塚治虫らしい、また手塚眞らしい作品だと感じていました。父親の考えた感性やストーリーと息子である私の感性の融合という形で作りました。
 
Q:初めて稲垣さんと組まれたと思いますが、いかがでしたか。
A:一番好きなタイプの俳優です。何も言わなくても以心伝心で思った通りの演技をしていただけるので、今日本で一番好きな俳優です。
 
Q:二階堂ふみさんはいかがでしたか。
A:この映画のミューズのような存在、彼女がいたから成立したと思っています。二階堂ふみさんなのか、役のばるぼらなのかわからないくらいぴったりの俳優だったと思っています。
 
【コンペティション部門選出作品『喜劇 愛妻物語』監督 足立紳さん コメント】
Q:2016年のデビュー作『14の夜』が日本映画スプラッシュ部門で上映されて以来、初コンペ部門の選出ですが発表をきいていかがでしたか。
A:嬉しかったけど、まずびっくりしました。監督としてはまだ2作目でコメディなので、そういう作品がコンペに入るのはあまり無いと思うので大丈夫なのかと、そうとうびくびくしました。
 
Q:原作・脚本も監督が務められておりご自身を反映されているように思いますが、いかがでしょうか。
A:濱田岳さんが演じている役よりもよりも僕はもうちょっとひどい男ですけども、自分の分身を演じていただきました。
 
Q:水川あさみさんへのお芝居の演出はどのようにされましたか?
A:演出らしい演出はしていない。昔から水川さんのことが好きで、映画やドラマを見ていたが、バラエティに出演されているのを拝見して、絶対この役にぴったりだろうと思って、オファーいたしました。
 
Q:濱田岳さんはいかがでしたか。
A:素晴らしく、撮影3日目からこの人大丈夫かなと思うくらい、本当にダメな人に見えてきて、水川さんがガンガン怒るのがわかるくらいでした。
 
Q:どんな思いを映画に込めましたか。
A:単に怒っているのではなく、愛情が込められているのを描きたかった。夫婦というのが赤の他人の人間関係としては、最もみっともない姿を見せあう関係だと思うので、そういった夫婦関係を描ければと思った。
 
【「THE EVOLUTION OF JAPANESE ANIMATION/VFX」 中島かずきさん コメント】
Q:映画祭でご自身の脚本作品『プロメア』が上映されることについていかがですか。
A:嬉しいですね。応援上映という、お客さんたちがスクリーンを観ながら声をかけたり、サイリウムを振ったりとコンサートのような特殊な上映スタイル。日本のファンたちがこういう楽しみ方をしているという、海外に向けての良いプレゼンになるのではないかと思います。
 
Q:アニメの部門化は期待できますね。
A:海外に対して日本の映像作品として、アニメーションは代表されるものだと思いますので、それがきちっとこういう形でプレゼンテーションできるというのはとても良いことだと思います。
 
【オープニング作品『男はつらいよ お帰り 寅さん』監督 山田洋次さん コメント】
Q:ご挨拶をお願いします。
A:15~16年前になりますが、『隠し剣 鬼の爪』という時代劇映画がオープニングで選ばれたことがありまして、それ以来久しぶりにオープニングに僕の最新作が上映となり光栄に思います。
 
Q:中でも寅さんの最新作を上映できることに対してどのようにお思いですか。
A:この作品は50年かけて作った映画という気がします。自分で出来上がった映画を見て、50年かけて作ったんだと分かって不思議な思いを抱いた。その理由でオープニングに選ばれたのではないかと思います。
 
Q:国際映画祭ですので、日本だけでなく、世界の方々に観られるかと思いますが、海外の方の反応などは気になるところでしょうか?
A:かつてトリュフォーが『大人は判ってくれない』の主人公の男の子が成長してからその子で別の映画を撮ったりしましたが、それでも十数年くらいでしょうから、他にも長い期間をかけて撮った映画はいろいろありますが、50年かけた映画は決してなかったと思うので見ていただきたいと思います。それだけは言っていただきたい、今後も無いと思うので。俳優も入れ替わらないでやっているわけだから。
 
Q:監督は今回の映画のどんなところに奇跡を感じましたか?
A:そうですね。編集によって黒澤明さんが「映画はつなぎ合わせて作るものだけれども、カットのつなぎ目に魔法が働く」とおっしゃっていたが、その魔法を感じ取られた気がしました。
 
Q:渥美清さんがご覧になられたらどんな言葉をかけられるでしょうか。
A:山田さんよくやったねとにやにやして笑うでしょうね。
 
Q:最後に一言
A:若いころよく観たという方もたくさんいると思うけれど、寅さんを観たことの無い人たちもたくさんいるに違いない、そういう方たちにとっても楽しくて不思議な色合いを持った作品だと思いますので、多くの人に観ていただければと心から思っております。
 
【記者とのQ&A】
Q:今回の映画祭でご自身として楽しみなこと、期待していることはどのようなことがありますでしょうか。
中島:個人的には京マチ子さんの特集が楽しみです。古い映画が好きなので、3本とも楽しみにしています。
山田:TIFFは世界中の映画祭の中でもこれが東京国際映画祭なんだという特徴というかフィロソフィーをちゃんともってほしい、早くそこにたどりついてほしい、発見してほしいなと思います。そういうふうな思いを抱きながらこの映画祭に参加したいと思います。
手塚:山田監督のような巨匠と一緒に参加できることを本当に嬉しく思っておりますし、大林宣彦監督の最新作や京マチ子さんの特集では黒澤明監督や衣笠先生の作品も上映されます。世代を超えて素晴らしい日本映画が集まる映画祭になっていると思いますので、初めて参加される方もぜひこの機会に参加してもらえれば、日本の映画の歴史の一端をみることができるとおもいますので、ぜひ来ていただければと思います。
足立:自分の映画が上映されていない時もよく来て毎年何本も観ていて、日本で上映されるかもわからない外国のなかなか見られない映画もたくさん観られますので、そういった映画を毎年見るのが楽しみで今年もたくさん観ようと思っております。

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